東京電力福島第一原発事故で最初にメルトダウン(炉心溶融)を起こした1号機。その分析に向け、原子力規制委員会が7日、同じ冷却設備を持つ日本原子力発電敦賀原発1号機(福井県敦賀市、廃炉作業中)を現地視察した。その様子の一部が、報道陣にも公開された。
敦賀1号機は大阪万博が開かれた1970年、福島第一1号機はその翌年に運転を始めた。ともに沸騰水型炉(BWR)で、国内のほかの原発にはない「非常用復水器(IC=アイソレーションコンデンサー)」という冷却装置を備えていた。
ICは、電源なしで原子炉を冷やせるのが特徴。水を満たしたタンクの配管に、原子炉からの蒸気を通すことで水に戻し、再び炉の冷却に使う仕組みで、2系統ある。
しかし、福島第一原発事故では十分に機能しなかったとみられている。
電源喪失で表示灯も消え、弁の開閉状況や、作動状況の把握が難しくなった。発電所内でも認識の食い違いが生じ、動いているはずという「誤認」が続いた。
政府の事故調査・検証委員会の報告書は「ICの作動状況の誤認が、1号機への対処の遅延の連鎖を招いたともいえよう」と指摘。注水などの措置の遅れにつながったとした。
事故当時の福島第一原発所長…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル